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<「奇皇后」 あらすじ 9話 補足 パク・オジンのセリフの意味を深読み>

「奇皇后」9話では、父の敵である皇帝タファンに復讐しようとするヤン(スンニャン)をパク・オジンが止めます。その理由は、高麗出身のヤンがそのようなことをすれば、宮廷にいる高麗人がみな処分されてしまうからということでした。

実はこれと同じようなことが明朝の永楽帝の時代に起こっています。朝鮮国王・太宗が献上した貢女の中にいた安東権氏出身の女性が皇帝の寵妃となりました。彼女はとても美しく、穏やかな性格で、簫(しょう)を吹くのが上手だったそうです。1409年、入宮後1年ほどで賢妃に封じられ、兄の権永均も光禄寺卿の位を授かり、たくさんの財物を下賜されるなど、寵愛を受けました。朝鮮王朝実録には彼の名がたびたび登場しますので、それなりに権力を持っていたことがうかがえます。

栄華の絶頂にいたかに思える賢妃ですが、その翌年、皇帝の蒙古遠征に同行した際、亡くなってしまいました。皇帝はひどく悲しみ、彼女を皇后として改葬したそうです。この方は正式には恭献賢妃、朝鮮では顕仁妃と呼ばれています。

事件が起こったのはその3年後でした。賢妃の死を不審に思った皇帝が、朝鮮出身の後宮である婕妤(しょうよ)呂氏を疑い、尋問祭りを開催。その他の朝鮮出身の後宮も処分しました。呂氏の罪が発覚したのはそれぞれに仕えていた下女どうしの喧嘩であり、砒素を胡桃茶に入れたといったことも太宗14年の朝鮮王朝実録に記されています。

奇皇后の時代はこの出来事よりも前ですが、パク・オジンのセリフはこれを意識して書かれたもののように思われます。明時代に亡くなったのは寵妃。もし皇帝を殺めてしまったら、もっとすごい大粛清・大処分が起きそうなのは想像に難くありませんよね。

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