「奇皇后」14話(あらすじはこちら)では、丞相ヨンチョルが先の皇帝に毒を飲ませたシーンが出てきます。その皇帝とは恵宗(「奇皇后」皇帝タファンのモデル)の父である明宗コシラを指していると思われます。タファンがヨンチョルを父の敵扱いしていたシーンも何度かありましたね。
上の系図でわかるように、タファンの父にあたる明宗コシラと異母弟の文宗トク・テムルは、フクザツな事情があり、皇位を分け合い、争うような状況でした。そんな折、二人の兄弟がオングチャドゥ(王忽察都)という都市で対面を果たします。ところが、その4日後にコシラが怪死。当時絶大な権力を握っていた軍閥エル・テムル(「奇皇后」の丞相ヨンチョル)はさっさとトク・テムルを復位させました。
その後のトク・テムルは、皇位についたとはいえ、エル・テムルの言うがままの傀儡でした。こうしたことから、コシラの死はエル・テムルによるものだったとされているようです。史実では兄弟対面のときに宴を開催したそうなので、ドラマのように皇帝の目の前に毒薬を差し出したわけではないでしょうが、わかりやすくデフォルメされているのでしょうね。